子どものやる気スイッチを入れる
例えば、家庭でお子さんにこんな声かけをしていませんか?
「忘れ物しないでね」
「大丈夫、心配しないで」
「大変だけどがんばってね」
伝えている本人は、相手を思い、そして、労おうとして
声をかけていることでしょう。
しかし、これらの言葉は、残念ながら伝えたいメッセージとは、
真逆の内容を、無意識に子ども(相手)にインプットしてしまいます。
「忘れ物しないでね」は「忘れ物」を、
「心配しないで」は「心配」を、
「大変だけどがんばってね」は「大変」をインプットしてしまうのです。
この場面で、伝え手の本来のメッセージを相手へ届けるのであれば、
「忘れ物しないでね」ではなく「必ず持って行ってね」
「大丈夫、心配しないで」ではなく「大丈夫、安心してね」
「大変だけどがんばってね」ではなく「やりがいがあるね、がんばってね」
などの言葉をかける必要があります。
このようにコミュニケーションは、ほんの少しのコツを掴むだけで、
大きく違ってきます。
そして、コミュニケーションは、相手の反応こそが結果であり、
期待する反応が返ってこない場合は、そのことに「気づき」、
相手の状況に合わせて、伝え方を変える必要があるのです。
コミュニケーションのミスマッチに気づくことができず、
この行き違いが、日々蓄積されていくとしたらどうでしょうか?
お母さん、お父さんは、いくら言っても言うことを聞かない!と苛立ち、
お子さんは、いくら頑張っても認めてくれない!と悲しむでしょう。
ただ…
「何を伝えたかではなく、どう伝わったか」
頭では分かっていても、なかなか難しいですよね。
そこで活躍するのがNLPのスキルです。
NLPは、無意識の領域(思い込み・習慣・信念)を活用し、
よりよいコミュニケーションへと導くためのテクニックです。
思い込み・習慣・信念などの無意識は、その人の行動に多大な影響を与えます。
そのため、NLPを活用したコミュニケーションにより、
自分を変容させることができ、また、相手をも自然に変えることができるのです。
スポーツ選手のイメージトレーニングが、まさにこれです。
実際、世界的に有名なコーチでありNLPを学んだメンタルトレーナーが、
戦績の低迷に悩んでいたテニスプレーヤーのアンドレ・アガシ選手をコーチし、
再び世界一に復活させたというのは非常に有名な話です。
そして、このようなスキルは、子育てや教育の場面においても、
大いに活用することができます。
例えば、学生に対して、NLPによるコミュニケーションテクニックを
取り入れることで、自ら勉強に向かい、自ら目標を設定するといった
ポジティブな姿勢を引き出すことができるでしょう。
さらに、常に相手を理解する姿勢は、自然と学生との間に
深い信頼関係を築くことにつながります。
しかしながら、子育てや教育の場面においては、
親や教育者が、知らず知らずのうちにマイナスのメッセージを
子どもたちに伝えてしまっています。
得意な科目をとことん伸ばすのではなく、苦手を克服させてまんべんなく。
という日本の教育にありがちな方針も、その一つかもしれません。
「苦手なもの」ばかりに注目されているなかでは、
やる気を維持することが難しくなってしまうのは、
子どもだけでなく大人も同じではないでしょうか。
とりわけ、子どもたちは、そのマイナスなイメージを
逆らうことが困難な、親や先生といった権威的な存在から受け続けるのです。
そんな環境の中で、子どもに「がんばりなさい」「努力しなさい」と
成果を上げさせようとしている事実はとても残酷です。
子どもの「がんばり」がそのまま結果につながるように、
あるいは「がんばり」がなくても自然に結果が出せるように、
相手の期待や状況に合わせたコミュニケーションのアプローチで
上手に働きかけることが必要なのではないでしょうか。
子どもたちが、前向きになり、
そして自発的に目標へと向かってくれるコミュニケーション。
NLPの学びでは、そんなコミュニケーションへのコツを
見出すことができるはずです。